ゴルフは続くよどこまでも #18「ゴルフの楽園はどこか」

ニュージーランド(NZ)でのゴルフライフも板についてきた。

さぞ楽しかろうと言われると思う。

いや、もちろん楽しいには楽しい。

今日はNZのゴルフ事情のメリットとデメリットを紹介する。

 

NZのゴルフの最大のメリットは、なんといってもアクセスの良さである。

オークランドはNZ最大の都市でありながら、中心部から30分圏内に大小10程度のゴルフ場がある。

 

ふたつ目のメリットは、プレーフィーの安さ。

オークランド近郊のカジュアルなゴルフ場では、18ホール歩きで$25からプレーすることができる。メンバーシップのコースも、年間$2,000程度から周り放題である。

 

みっつ目のメリットは、そのカジュアルさだ。

パブリック(公営)のゴルフ場ではドレスコードがほぼないところもあるため、初心者や子供でも敷居が低い。

ゴルフ場に“キャディさん”はおらず、セルフプレーが基本。ハーフを終えて昼食を挟む必要もない。

 

はい、ここまでは最高。

 

ではここからデメリット、というか私のぼやきを聞いてほしい。

 

ところで質問。ゴルフクラブはどこで作られているだろうか。

 

部品はアジア圏で生産されている実態があるが、組み立てて最終的に販売品になるのはアメリカか日本がほとんどだ。

 

言わずもがな、NZはどの国からも遠く離れている。

お隣の大国オーストラリアでさえ、オークランド・シドニー間は飛行機で3時間かかる。

 

こちらのゴルフショップで取り扱っている商品に Made in New Zealandは皆無だ。

クラブ、アパレル、シューズ、果てはティーに至るまで、すべての商品が輸入品なので、輸送費が上乗せされて割高になる。

 

さらにニュージーランド・ドル (NZD) はアメリカ・ドルや、オーストラリア・ドルに比べて安い。2022年7月現在、1NZDは85円だ。(これでも円安の影響で、3年前から10円ほど値上がりした)

 

加えて、コロナ禍の影響による輸送の遅延、物流コストの上昇ときた。

私の働いているゴルフショップでは、注文していた半袖シャツは冬に届き、アメリカ大手ブランドの初心者セットは、船便がいつまでたっても届かず、空輸せざるを得なかったらしい。

 

だから、最新ドライバー1本で$1,200などする。初心者用クラブセットも約$2,000から。ツアーモデルのゴルフボールは1ダースで$99.99である。

落ち着いて事情や為替を考えると妥当な金額なのだが、桁と数字が増える分、ものすごく高く感じるのは私だけではないはず。

 

そしてNZ内で大手メーカーの取り扱い量販店はほぼ一択で、「高いからよそで買おう〜」とできない。

 

結論としては、NZのゴルフ場のプレーフィーの安さやカジュアルさは大きな魅力だが、道具が高い。手に入る種類も少ない。

 

また、コースメンテナンスの人材や資金も足りていないので、一部の高級ゴルフ場を除いては、コンディションが「自然ありのまま」で、日本のコースのほうが優れている。

 

国内ツアーも少ない…これは別の回に紹介したいと思う。

 

いかんせん、NZの弱みは人口の少なさと経済規模の小ささに尽きる。

 

ひるがえって日本は、世界に誇るゴルフクラブの生産技術。

グッズの豊富さ。コースメンテナンス力の高さ。国内ツアーの存在。NZ総人口よりも多いゴルフ人口と、その熱量。

 

実は日本こそ、ゴルフの楽園なのではないだろうか。

 

※トップ画像は Jacks Point, Queenstown

 

ヒッティ

1987年生まれ。ニュージーランド在住。幼少期からゴルフを始め、一時はプロを目指すも、今なおアマチュアとしてゴルフを愛し続けている。現在のハンデはゼロ以下。日本とニュージーランドで女子ミッドアマ チャンピオンのタイトルを獲るなど、珍道中を邁進中。

Leave a comment