ゴルフは続くよどこまでも #15「レディース用?」

 

最近、プレーするときのティー(コースのスタート地点)の呼称や色分けを見直すゴルフコースが出てきている。

「レディース= 赤」「メンズ= 白、青」「シニア = ゴールド」といった、ティーボックスに付いている固定観念をなくし、「グリーンティー」とか「パープルティー」といったティーボックスを用意する取り組みだ。

こうすれば性別や年齢に関係なく、好きなところからプレーできる。

とても良い流れだと思う。

 

こういった流れで、ゴルフクラブも「レディース」というカテゴリーを取っ払って、なにか別の言葉で表せないかなぁ、と考える。

だって、女子プロの中で「レディース用」クラブを使っている人はほとんどいない。

アマチュアの私でさえ「レディース用クラブ」は柔らかすぎたりロフトがありすぎたりで、スペックが合わない。

参考までに、クラブヘッドスピードは約38メートル/秒で、飛距離はおおよそ200ヤード前後である。

つまり私は、スペックも中途半端、実力も中途半端で、明らかに「一般的レディース」ではないのである。

 

ひるがえって、男性がクラブ選びをする際、わざわざ「メンズ」と記載されているものは少ない。各メーカーが提供しているものは「メンズ」が主役であり前提なので、種類もフレックスも豊富だ。

そして「レディース用」と書かれているクラブには手を出さない。どんなに非力な男性であっても、だ。

 

例えばシャフトの硬さを示すカテゴリーが象徴的だ。

堅い順に「X」=エクストラスティフ、「S」=スティフ、「SR」=スティフレギュラー、「R」=レギュラー、「A」=アベレージ、「L」=レディース

と分けられていることが多い。

一番柔らかい単位の名称が『女性』とは悔しいではないか。

 

私には、このゴルフ界全体の、女性に対する味噌っカスのような扱いが腹立たしい。無意識に、悪意なく差別しているからよけいにタチが悪い。

 

前述の「グリーンティー」を設置したゴルフコースの方の話では、プレーヤーからの意見は好評だという。

実のところ、とくに距離の飛ばなくなった年配男性ゴルファーが、「レディースティー」や「シニアティー」を選ぶと恥ずかしさや屈辱感があったが、「グリーンティー」ならば尊厳が保たれるという話だった。

 

性別や年齢を含む呼称は、すべてのゴルファーのために廃止されてもいいと思う。

ヒッティ

1987年生まれ。ニュージーランド在住。幼少期からゴルフを始め、一時はプロを目指すも、今なおアマチュアとしてゴルフを愛し続けている。現在のハンデはゼロ以下。日本とニュージーランドで女子ミッドアマ チャンピオンのタイトルを獲るなど、珍道中を邁進中。

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