ゴルフは続くよどこまでも #35「最近の若いモンは」
最近ゴルフ友達になった20代の女の子は、「ショート動画を作る」のにハマっているらしい。
練習場でスイングを撮るのはもちろん、カフェにいくと外観、料理、販売棚などに数秒ずつスマホをかざす。
新しい体験のへのワクワクと、この瞬間を逃すものかという姿が、なんだかキラキラまぶしい。
「最近はショート動画でも収益化ができるんですよ〜」と言う。
見るほうのトレンドとして、長いと集中力が持たない、飽きてしまう、要約だけ知りたい、らしい。
新聞からテレビへ、本からYouTubeへ。 「活字離れ」が叫ばれて久しいが、最近の人々はさらにもう一段階すすんで「長尺動画離れ」が起きているようだ。
かれこれ4、5年ほど前になるが、ゴルフYouTubeチャンネルをやっている元同僚がいて、私は何度か出演した。
彼から聞いた話では、1本あたり10分以上の動画でないと広告を間に入れられず、収益化もできなかったので、その「尺」という概念にとても心を砕いていた。
そう目の前の若い友人に話すと、「あ〜その時代はそうですよね」と悪気なく言われて、ちょっと傷ついた。
4、5年前のことがもう古くなるなんて、ゴルフクラブのサイクルみたいだ。
テーラーメイドはSimシリーズより前のMシリーズだったし、キャロウェイはEpicシリーズが出始めだった。ピンはG400か。
そしてまだドロップは肩の高さから球を落としていたし、グリーン上では旗竿を抜かねばならず、ウォーターハザードとラテラル・ウォーターハザードが存在した。(※)
うーん、そうやって思い返すと、たしかに数年で時代はすすむようだ。
彼女の話に戻ると、TikTokでフィードに流れてくるワンポイントレッスンの動画を見て、これを試したい! と思い練習場に行くそうだ。
だが到着する頃には、たくさんのショート動画のなかでどれが自分のやりたかったものなのか覚えておらず、かつ探し出せないというのである。
最近の若い子も大変ね。
情報の大量消費時代において、アマチュアゴルファーには今までにない新たなマネジメント能力が求められているようである。
ヒッティ
1987年生まれ。ニュージーランド在住。幼少期からゴルフを始め、一時はプロを目指すも、今なおアマチュアとしてゴルフを愛し続けている。最新のハンデは0.4。日本とニュージーランドで女子ミッドアマ チャンピオンのタイトルを獲るなど、珍道中を邁進中。