ゴルフはつづくよどこまでも #12 「ボール選び」
ボールでそんなに変わるの? と思う人がいるかもしれない。
私もそうだった。というか「初心者」という時代を経験しないゴルファーはいないから、全員が一度は抱いた疑問といっても過言ではなかろう。
断言する。ゴルフボールは大事である。
今回は現在ゴルフショップ店員の私が、お客さんのゴルフ選びを手伝うときの話を書こうと思うので、参考にしてみてほしい。
1. レベルに合った価格帯のものを選ぶ
まずは失礼ながら、お客さんのハンディキャップか平均スコアを尋ねる。
これはコストパフォーマンスを考慮した提案をしたいのでお聞きしている。
一般的に、ゴルフボールは質の良いほど、使われている素材や技術にお金が掛かっている。つまり値段と質が比例すると言っていい。
誤解しないでほしいのは、「下手な人は違いがわからないから安いボールでかまわない」という暴論ではないということ。
初心者はOBや池ポチャなどで、ボールを紛失することが多いため、1球あたりの値段を抑えるほうが “サステイナブル”にゴルフができるということだ。
2. 重視する要素を絞る
次に、これから言う3つの中から何を優先したいか尋ねる。
①飛距離 ②スピンコントロール ③どっちも。
飛距離性能が高いボールは、ボールの外側(アウター)が硬く、中身(コア)の部分がやわらかい構造になっている。高反発で直進性が高い。
クラブヘッドスピードがゆっくりな人や、バックスピン量が多い人にはこちらがおすすめ。
スピン性能の高いボールはその逆で、アウターがやわらかく、コアが硬い。
スピン性能が高いということは、特にグリーン周りのアプローチでボールが止まりやすい。
グリーン上でかっこよくスピンコントロールしたい人にはこちらがおすすめ。
ただ、スライスやフックなどの曲がり幅も「飛び系」より大きいので注意。
最近はコア部分に何層もの異なる素材を合わせたり、表面に特殊なコーティングを施して、「飛びもスピンもどちらも」と謳うボールも出てきた。
プロは 高品質=高価格帯の中で "どちらかといえば"「飛び系」か「スピン系」を選んでいる。
3. 気持ちの上がるボールを選ぶ
最後に、色・質感・ブランドなど好みのものを選んでもらう。
最近のボールは実にカラフルで、かわいい柄ものや、パッティングのときに役立つ補助線が入ったものも増えた。
「好きなプロが使っているから」という理由でブランドを決めてから選ぶのもありだと思う。間接的に、"推し"プロの応援につながるからだ。
4. 打感をくらべてお気に入りを探す
と、ここまで散々 ショットを前提として一般論を紹介してきたが、実は一番フィーリングの違いが感じられるのはパッティングのときだと思う。
私はヘッドスピードがおよそ36メートル/秒の女性なので、「飛び系」のほうが合っているはずなのだが、どうもパッティングの際「飛び系」特有の ”はじき感” が苦手で、いつも決まったブランドの「スピン系」を選んでいる。
売り場ではなかなか試すことができないが、ゴルファー仲間とシェアしたり、パター試打エリアのボールを確認したり、一箱12球ではなく3個入りのスリーブで買うなどして、お気に入りのボールを見つけてほしい。
まとめ
・価格と質は比例する
・「飛び系」か「スピン系」か選ぶ
・色・質感・ブランドで選んでもあり
・パターのときの打感も一考の価値あり
もし本格的に自分に合うボールを見つけたい! と思ったら、ボールフィッティングを実施しているメーカーもあるので、参考までに。
[プロフィール]
ヒッティ
1987年生まれ。ニュージーランド在住。幼少期からゴルフを始め、一時はプロを目指すも、今なおアマチュアとしてゴルフを愛し続けている。現在のハンデはゼロ以下。日本とニュージーランドで女子ミッドアマ チャンピオンのタイトルを獲るなど、珍道中を邁進中。