ゴルフは続くよどこまでも #21「人間は忘れやすい生き物」
「ゴルフは記憶のスポーツ」と 以前エラそうにのたまった一方で、人間は (私は) とても忘れっぽい。
たとえば 週1でレッスンを受けると、マットの上に立ちアドレスに入ったところで、はて先週は何を習ったんだっけ、となる。
ラウンドでどうも不調で、あぁそういえば前回プロにこう教わってた! というのを18番ホールで思い出したりする。
そんな経験は私だけではないはずだ。
まだレッスンなら指示が明確だが、自分で「そうだ、こうやったら上手くいくんだ!」と発見して 体得したつもりになったテクニックや感覚は、打席から3歩離れるとたちまち消えてしまう。
20代の頃 見てもらっていたコーチが言っていた。
「教えたことがすぐに全部できて、覚えていられる選手ばかりだったら、ティーチングプロなんて要らないよ」と。
アマチュアゴルファーはプロに教えを乞い、会得した気になり、うまく忘れて、またプロの元を訪ねる。
もちろんティーチングプロが悪党商法と言っているわけではない。
ツアープロだって、膨大な知識と経験を持っているはずなのに、いつのまにか調子が狂ってきて、基本に立ち返って復活したりする。
人間は忘れる生き物で、ゴルフというのはその宿命にあらがう行為なのだ。
ただ、時間の経過とともに記憶はうすれるが、記録は残る。
私は平均的人間より記憶力が弱いと自覚しているので、メモを取ったりノートを書いたりする癖がある。
しかし、コースや練習場で、これだヒラめいた! と思う瞬間。
忘れないように持ち合わせた紙切れやスコアカードにメモをして、その紙をどこかに忘れてきたりする。
ここまでくると”記憶”のスポーツというか、”記録”のスポーツ。
もはやメモリーとの格闘である。
そうこうしているうちに私のゴルフノートも4冊目。
相当の技術、知識が蓄積されているはずだが…
あれ…5冊目だったかな…?
ヒッティ
1987年生まれ。ニュージーランド在住。幼少期からゴルフを始め、一時はプロを目指すも、今なおアマチュアとしてゴルフを愛し続けている。現在のハンデはゼロ以下。日本とニュージーランドで女子ミッドアマ チャンピオンのタイトルを獲るなど、珍道中を邁進中。