ゴルフは続くよどこまでも #25「暑くても焼かれても」
ニュージーランドの日差しは強い。
聞くところによると紫外線の量が日本の7倍とか8倍だそうだ。
息子の学校では、夏の課外活動は帽子と日焼け止めが義務付けられていた。
各クラスに1リットルくらいのポンプ型の日焼け止めが常備されていて、体育の授業などで外に出る時はみんなでぬりぬりするらしい。
私も油断しているとすぐに肌が黒くなる、というか焼かれて痛くなるので、ゴルフの際は長袖かアームカバーを着用して、皮膚の露出をできるだけ抑えるようにしている。
(Herg1のモックネックシャツは袖裏がメッシュになっていてとっても快適です)
しかし近年の日本の夏は暑すぎやしないか。
7月下旬に少しだけ日本を訪問したが、飛行機を降りた瞬間のむわっとした空気に、亜熱帯のジャングルにでも不時着したかと疑ったくらいである。
とりわけコートを着込んだ冬のニュージーランドから20度差もある。
その前の訪問は、NZの秋から日本の春への移動だったので服装に困らなかったが、季節の反転する国に住む難点をはじめて実感した。
今回は東京での滞在期間が短いから、と言い訳してゴルフには行かなかった。
いや正確には一度だけ家族で行った。 だがサウナの中でゴルフしているみたいで、9ホールで断念してしまったのだった。
母はサウナブームの黎明とともにサウナに目覚め、毎週ジムに通い汗を流す立派な”サウナー”である。
「ゴルフ場の女湯のサウナは温度が低いところが多い。 サウナさえないところも珍しくない。 ゴルフ場の予約サイトに『サウナあり』と書いてあっても男性浴室のみだったりするから、必ず電話でクラブに確認するようにしている」という執念深さ。
サウナーには熱波の中のゴルフなんてチョロいものかと思いきや。
かえって高められた新陳代謝と、身体中の毛穴から吹き出す汗に、グリップは滑るわ帽子のてっぺんまで汗染みがのぼってくるわで、
母も私も、水と炎タイプの合わさった新種のポケモンみたいだった。
そんな中でも見かける日本のゴルフ女史たちは、バッチリ日焼け対策を怠らず頭が下がった。
レギンス、アームカバー、ネッククーラー、フェイスカバー、キャディ帽といういで立ちで、真夏の太陽の下、血気盛んにクラブを振り回している。
ゴルフというか蜂の巣駆除にでも来たのではないかという格好だが、彼女たちを笑ってはいけない。 10年後、20年後のシミの数で、笑う立場は逆転しているはずだ。
それに武装していようとなかろうと、「こんな暑い中ゴルフに行くなんてバカじゃないの?」と世間のノンゴルファーは思っているに違いないのだ。
多かれ少なかれ困難を乗り越えて炎天下のゴルフ場にやってきたゴルフ狂同士、たたえあい球転がしに勤(いそ)しもうではないか。
ヒッティ
1987年生まれ。ニュージーランド在住。幼少期からゴルフを始め、一時はプロを目指すも、今なおアマチュアとしてゴルフを愛し続けている。最近のハンデは1.5。日本とニュージーランドで女子ミッドアマ チャンピオンのタイトルを獲るなど、珍道中を邁進中。