ゴルフは続くよどこまでも #24「チーズケーキ」
私は食べることが好きなので、料理もまぁまぁ好きである。
先日むしょうにチーズケーキが食べたくてたまらなくなり、クリームチーズやらなんやら買い込んで怒涛の勢いでケーキを作ったら、自分史上最高にうまくできた。
翌日、チーズケーキを食べた全員に大絶賛されて、鼻たかだーか。
「売ったら絶対買うわ」とまで言われ、パティシエでも目指そうかと思ったくらいだった。
ただ衝動に駆られて作ったので、うろ覚えのレシピをたよりに、実に適当な分量で作ってしまった。
クリームチーズと砂糖までは量っていたが、ついでに冷蔵庫にあまっていたマスカルポーネチーズを目分量で加え、最後の味見で甘すぎる気がしてヨーグルトをドバドバっと足した。
あんなに美味しくできたのに、これでは再現ができない。 私のあの日のチーズケーキは幻の逸品となってしまった。ーーー
ところで私は、良いスコアを出すことが好きなので、パッティングもまぁまぁ好きである。
先日むしょうにパッティング練習がしたくなり、昔のパターやらなんやら持ち込んで怒涛の練習に励んだら、自分史上最高のフィーリングが得られた。
翌日、一緒に回った全員に大絶賛されて、鼻たかだーか。
「打ったら絶対入るね」とまで言われ、プロゴルファーでも目指そうかと思ったくらいだった。
ただ、衝動に駆られて練習したので、ーーー
ゴルフはいかに再現性を高めるかがカギとなる。
料理のようにレシピがあれば苦労しないが、否、レシピがあっても指示通りの材料・分量・手順を守ることができなければ、結果を再現することはできない。
もし思いつきでアレンジを加えると、基準がなくなってしまい、何が正しかったのか・何が悪かったのか分析ができない。
すると成功はたまたまになり、失敗はつづくリスクが残る。
ちなみに、前述のパッティング練習の話は半分フィクションであるが、最高のフィーリングが幻となってしまうことはよくある。
同じことをしているつもりでも、天気・気温・体調・ウェア・コースコンディションなど、さまざまな要素によって微妙な変化がゴルファーを苦しめる。
ただ、何かを目分量で加えるときも、構えてからスタンスを微調整するときも、「なんとなく」をやめて基準からどれくらい変えるのか、頭のノートにメモしておくことで再現性は追求することができる。
料理よりゴルフのほうが恵まれている点は、「うまい」が主観ではなく数字に表れることだと思う。 ときに残酷でもあるが、正しく努力すれば報われるのもまたゴルフだ。
常に美味しいスコアを求めて、試行錯誤の日々は続く。
ヒッティ
1987年生まれ。ニュージーランド在住。幼少期からゴルフを始め、一時はプロを目指すも、今なおアマチュアとしてゴルフを愛し続けている。最近のハンデは1.5。日本とニュージーランドで女子ミッドアマ チャンピオンのタイトルを獲るなど、珍道中を邁進中。