ゴルフは続くよどこまでも #30「大掃除」

私はあまり古き良き日本の風習を守るタイプではないのだが、今年は大掃除をした。

なぜなら、9月に迎えた子猫にノミがついているのを発見したからである。

おそらくブリーダーは大きな庭付き一軒家で、半分野生のような状態で飼われていたうちの猫ちゃんは、生後6ヶ月で引き取ったときからノミだらけだった。

引き取り時は、家に着いてからすぐにシャンプーをしたし、ノミ取り薬も使ったし、このまま室内で過ごしていれば大丈夫だろうと油断していた。

しかし、なぜか取っても取ってもノミがついている。

!!うちの可愛い娘に悪い虫がついている!!

そんな事実にいてもたってもいられず、年末だから大掃除をしたというよりは、大きな掃除をしたのがたまたま年末だったのだ。

さて、カーペットには毎日掃除機をかけているが、それでもノミが出るということは、きっと普段手の届かないソファの下やベッドの下があやしいと睨んだ。

クイーンサイズベッドの下には約20センチほどの隙間がある。

この隙間がなんでも吸い込む4次元ポケットのように便利で、ずぼらな私はそこに日常では使わないいろんなものをポイポイとしまいこんでいた。

いざ掃除をしようと足下の空間に手を伸ばすと、出るわ出るわ、芋づるのように…虫ではない。積年のゴルフグッズがわんさか出てきた。

トラベルバッグ、ゴルフボール、パターまでは収納したのを記憶していたが、 スイング矯正ベルト、アメリカ時代の友人からもらったヘッドカバー、無駄にいっぱいあるクラブレンチ(ドライバーなどカチャカチャする工具)、名門クラブのクリップマーカー、未開封のUSオープンのポスター、昔使ってたドライバーのヘッド、トレーニング用のゴムチューブ、などなど…

嫁入り道具として持ち込んだもの、帰省の際に持って帰ってきたもの、こちらで購入して収納したのを忘れていたものなど、NZに越してから3年しか経っていないのに、私の過去数年分のゴルフ史がハイライトされたような数々である。

ベッドの下を空にして掃除機をかけ、当初の目的であるノミ退治は遂行できたのだが、発掘されたゴルフの思い出たちは処分もできず、ホコリを取った後また同じ空間に収納された。

来年は猫のためにもゴルフの思い出たちのためにも、もうすこし頻繁に掃除・点検しようと思う。

結論、他ならぬ私がゴルフの虫だった。なかなかゴルフから離れそうもない。

 

ヒッティ

1987年生まれ。ニュージーランド在住。幼少期からゴルフを始め、一時はプロを目指すも、今なおアマチュアとしてゴルフを愛し続けている。最近のハンデは0.7。日本とニュージーランドで女子ミッドアマ チャンピオンのタイトルを獲るなど、珍道中を邁進中。

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